運の法則を知らなかった40代まで、私は常に戦っていました。上司、先輩、同期、部下、取引先……あらゆる人や会社が私の敵で、彼らに勝つことだけが私の目標でした。しかし、その結果は惨憺たるもの。人、健康、お金。すべての運に見放されてしまいました。
ビジネスの世界での成功とは何でしょうか。本当の意味で勝者になれるのは、どんな人なのでしょう? そのお手本の一人が、芸能界で「敵をつくらない」ことで有名な笑福亭鶴瓶さんです。
勝って驕らず、負けて悔やまず。ビジネスとは「道」なり
世界中の野球ファンを魅了する大谷翔平選手は、その天才的な技術だけでなく人格面でも愛され称賛されています。そんな彼が高校1年生のときに書いたという目標達成シートの存在は、多くの人の間で話題になりました。
そこには、成功するために必要なのは努力や才能だけではないという考えから、「運」や「人間性」の項目が作られ、具体的な行動目標として「あいさつ」「感謝」「思いやり」「応援される人間になる」などの言葉が並んでいました。
私たちがいるビジネスの現場で求められるのも、まさにこれです。いくら仕事がバリバリできても、競争心むき出しの人、利己的な人、傲慢な人、恨みや嫉妬をかう人は、最終的には評価されません。
私がいた営業部もそうでした。営業は数字がすべての実力の世界とよく言われます。確かにそういう一面もあるでしょう。しかし俯瞰して見れば、裏でサポートしてくれる人、案件を振り分けてくれる人など、さまざまな立場の人たちとの大きなコミュニケーションの輪のなかで動いています。