混沌とする経済状況の中で生き抜いていくために、私たち個人が自らの資産を守っていく方法はたくさんあります。しかし、アクティブな若年層と、資産を取り崩す老年層では、取るべき投資ポジションは違ってくると指摘しています。
90年以上生きることを見据えた人生計画を立てる
最後に、これからの社会を生きるために個々人に何が求められるかということについて考えていきます。最初に注目すべきことは、これから自分は何歳まで生きるのか、ということです。
今から60年前の調査では、日本の100歳以上の人口は150人ほどでした。それが現在では600倍の約9万人に及んでいます。2050年頃には50万人を超えると予測されています。
厚生労働省が出しているデータでは2021年に生まれた男の子はその4人に1人が、女の子は2人に1人が90歳を超えるとしています。人生100年時代というのは現実化しているのです。
喜ばしいことですが、世の中の仕組みが対応できていない。65歳で引退して90歳を超すまで生きるのに、とても年金だけでは足りない。90歳、あるいは100歳まで生きることを念頭に人生のプランを立てる必要が出てきました。
個々人にも金融リテラシーを高めることが求められます。金融商品を使ってお金を増やそうというのではなく、自分の過ごしたい人生を過ごすために必要な資産を形成するために、金融リテラシーが必要になるということです。