「信頼の獲得」これを意図的に用意できている営業パーソンは……正直少ない。お客様との初めてのアポイントメント。頑張って掴んだ商談のチャンスにもかかわらず、手応えを感じられなかった理由は、初対面で「信頼関係」を構築することができていないから。どれだけコミュニケーションが苦手でも、準備さえすれば誰でも実践できる信頼の獲得方法を、基本中の基本からご紹介します。
初訪問の営業でまず行うべきは「不信の払拭」である
「マニュアル通りに営業トークをやってみたけど、今日の初めての商談は手応えなかったな……」
こういった経験はありませんか? これは当然のことです。初めてアポイントを取り、挨拶もそこそこに商談を始めたとしても、うまくいくはずがありません。たとえ、その商品や商談内容がいかにすぐれていたとしても、ほぼ100%契約を結ぶのは不可能でしょう。
なぜならば、営業パーソンとはお客様にとって、基本「怪しいやつ」なのです。まずは、不信を持たれている状態から、「怪しいやつじゃないな」というプラスマイナスゼロに戻さなければいけません。ですから、営業パーソンは必ず、初めて訪問するお客様に対して「不信の払拭」をしなければならないのです。
不信の払拭のために必要なことは何でしょうか。まず、基本中の基本として「身なり、笑顔、挨拶」を徹底すること。お客様からプロフェッショナルと見られるよう、しっかり身なりを整える。もうひとつ大事なのが笑顔です。たとえ口下手でも、挨拶は堂々とすること。誠実さに勝る営業力はありません。
加えて「不信の払拭」で大事なのは、最初の自己紹介です。商談を始める前に必ず自己紹介を行うと思いますが、私の場合、自分自身のことや会社概要をお話しする前に、主なクライアントやお客様からの声を紹介します。
クライアントの中に、お客様がよく知っている社名があると、それが不信の払拭に効果を発揮します。さらに実績の数字や既存のクライアントの声を紹介していくことで、商品の価値への期待も高まり、後に話す自己紹介や事業内容についても、関心を持って聞いてもらうことができます。
この自己紹介はトークスクリプト(台本)を作るのが大事なポイントです。これを暗記して練習をしておけば、どんな口下手な営業パーソンでもスラスラと話せるようになります。営業活動においては、準備が勝敗の9割を決めます。第一段階である「不信の払拭」で、も、このような事前の準備が欠かせないのです。
この記事を読んでいるあなたが責任者以上のクラスの人ならば、この「不信の払拭」のための資料やトークスクリプトを用意するのは“責任者の仕事”だと考えましょう。この「不信の払拭」をそれぞれの営業パーソンに任せているようでは、組織の成果は上がりません。