仕事はポジティブにやっていきたいものですが、先行きが見えない昨今、マイナス思考に陥ってしまいがちな人も増えています。ちょっとしたことで愚痴をこぼしたり、ものごとにやる気を見せない人がそばにいると、こちらのエネルギーまで奪われてしまいそう。愚痴ばかりの人やマイナス思考の人に影響されて、自分までメンタルダウンしないための対処法をお伝えします。

弱気の上司を叱咤激励しても意味がない

職場はライバル企業との争いを繰り広げる戦場――日本では最近、こういう厳しい表現があまり使われなくなりましたが、企業活動とは食うか食われるかの戦いであることは昔も今も変わっていません。

欧米の企業では、積極的に自分から成果を生み出そうとしない人は、即刻クビになります。したがって今回のテーマは、欧米では成立しません。そんな人は会社からいなくなるからです。

しかし日本の企業には、愚痴が多い人や、何事にも悲観的で、仕事にも消極的な人がいます。そんな後ろ向きな人も会社にいられるのが、日本の企業文化です。その優しさが日本社会の長所とも言えますが、問題社員が多い理由でもあるのです。

たとえば困るのは、弱気な上司への対応でしょう。ふだんは頼りがいのある上司でも、2人きりになると「この会社にいても給料が上がらないしなあ」とか「10年後には会社がつぶれているかもしれない」「この仕事は誰がやっても同じ」などと、弱音を吐くので驚いたという人もいます。似たようなネガティブな上司に呆れたことのある人もいるはずです。

結論から言うと、メンタルが弱い上司に対して部下ができることはほとんどありません。強いて言うなら、話を聞いて、励ましてあげるくらいです。部下の立場でできることは、「みんなで力を合わせて、頑張りましょう」と前向きな言葉を投げかけるくらいです。

上司がそんな弱気では困るじゃないですか! と一喝したくなるところですが、弱気な人を叱るようなやり方は、よほどの信頼関係がない限り慎んだほうがいいでしょう。それで前向きになってくれるとは考えにくいからです。