新規事業や新商品開発の成功確率は「千三つ(せんみつ)」と言われている。1000に3つということは0.3%程度。実際にここまで低いかは不明だが、限りなく割合が低いことを意味する。多くの企業では、海のものとも山のものともつかない新規事業に投資することに躊躇しがちだが、AGCは新しい事業に絶えず投資していく文化が定着している。それはなぜか?「不可能と思った瞬間に100%成功しない」「低い成功確率を成功させたときに、ビジネスの差別化が生まれる」と平井良典氏は明快に語る。だから、可能性をつぶさず、いろいろなところに種をまくし、やめるのも当たり前の世界なのだ。経営学者の楠木建氏が、イノベーションを起こし続けるAGCの組織文化を解き明かす!