混沌とする経済状況の中で生き抜いていくために、私たち個人が自らの資産を守っていく方法はたくさんあります。しかし、20代、40代、60代で取るべき投資ポジションは違ってくると加谷珪一さんは指摘しています。ここでは、格差社会で生き残る方法について解説します。

20代はアグレッシブに、60代はディフェンシブに!

これからの時代、個人は資産をいかに防衛するべきか。また、インフレ時代にこそ考えるべき資産増強法はあるのか。この答えは、年代によって大きく異なります。

まず20代から見ていきましょう。この年齢層の人は、今後40年から50年かけて資産を形成していけばいいわけです。しかも若いうちは、やり直しもできるので、ある程度リスクをとって資産形成を考えることができます。

今はインフレですが、やがてインフレが終わり、次のフェーズに経済が移行するかもしれないわけですから、リスクを覚悟のうえで、今伸びている会社にアクティブに投資をするのも良いでしょう。

一方で、60代の人は、この先大きく稼ぐことは難しいと考えるべきです。よほど才能のある人以外は困難でしょう。だから、基本的な姿勢として、「守りに徹すること」が大事です。60代の資産運用は原則的に守りです。

インフレが進んでいるわけですから、資産を増やそうと考えるより、防衛することのほうが最優先なのです。現在のような、景気が悪くてインフレのときには、黙っていても資産は減っていくので、大きく減らなければ万々歳、というくらいの感覚でないとダメです。