会社の会計担当者の負担を減らせる会計ソフト。その性能は日々進化しています。最近では、会計業務の基本的な部分には会計ソフトを利用して、税理士には判断の際のアドバイスを受けるのみという会社も増えています。便利な会計ソフトですが、そのメリット、デメリットはどのあたりにあるのでしょうか。
「判断」は会計担当者、「記録」「集計」「表示」は会計ソフト
テレビで西郷隆盛をモデルにしたキャラクターが、ブランド名を連呼している会計ソフトのCMを見たことがないでしょうか? 確定申告の時期の前になると、頻繁に流されているような気がします。
会計業務のフローは、「判断」「記録」「集計」「表示」の順番になります。判断は、前回のセクションの店舗の工事で見た、修繕費か固定資産か、どの「勘定科目」に振り分けるかのことです。その判断に基づいて複数の帳簿に記録して集計しながら、最後に貸借対照表、損益計算書といった決算書に表示していきます。そうしたなか、判断は会計の担当者が税理士のアドバイスを受けながら行い、後の記録、集計、表示については、会計ソフトを利用している会社が増えています。
会計ソフトを利用する最大のメリットは、会計担当者の負担を減らせることです。会計ソフトが登場する前は、手書きで帳簿に記入していました。通信費を現金で支払ったら「仕訳帳」に記録したうえ、すべての取り引きを勘定科目ごとに分類した「総勘定元帳」へ転記します。この作業を、会計ソフトは自動で行ない、同時並行で集計まで正確に行なってくれます。一部の会社では、会計ソフトの代りにエクセルを使っているようですね。確かに集計が楽になるものの、正確に転記を行えるように組むのは、高度な知識を持った「エクセルの達人」でもない限り、とても難しいでしょう。