日本生命は国内最大手の保険会社であり、その資産運用部門は約88兆円(連結)の総資産を有する国内最大の機関投資家でもある。従業員7万人の巨大企業トップを長く務める同社会長の筒井義信氏にトップのあり方、心構えを聞くと――。ダメなリーダーとは、部下の報告を途中で遮り、「俺はそんなこと聞いてない」と言い放つ人だという。役職が上がり、権威とか権力を持つに従って、人間は変わっていく――。「報告の場は部下の晴れ舞台。最後まで黙って聞く」「一緒に働いている従業員や役員の思いを汲む」と筒井氏はリーダーの心得について語る。経営学者の楠木建氏が「すごくちゃんとしている人。王道を行く感じがする」と評する名経営者の珠玉の言葉から、多くの学びが得られる前編。