消費者の購買行動の根拠や動機を意味する「インサイト」。トリドールHD社長の粟田貴也氏は、対談で何度もこの言葉を口にした。「お客様のインサイトをつかむことさえできれば、即、大繁盛。しかし、見失いがちなことが多い」。粟田社長は休日、人が群がるところに必ず顔を突っ込むと言う。「人の群れがあれば、そこにインサイトがある」。刺激を受けるものを求めて街をさまよっているのだ。特にひきつけられるのが商店街のおでん屋。「湯気の出具合が明確に売り上げに影響している。温度を目で感じたとき、人の五感は大きく働く」。粟田氏は「自分の感性・感覚が大切」と強調した。後編は、消費者のインサイトをつかむビジネスセンスを磨くために、ふだん心がけるべきこと、やるべきことを探究する。