ロイヤルホールディングス会長の菊地唯夫氏は、社長時代、一人で店を回っていた。その数、年間200店舗以上。その時に大事にしていたのが、店の状況がひどかったとしても、そこでは絶対に文句を言わないこと。なぜ、それが放置されているのかを深く考え、答えを出そうとした。とにかく一人で行って、ありのままの「真実の瞬間」を見る。そして、時間がかかる課題もあるが「必ず解決できる」と思うようにしたと語る。一方、菊地会長は「現場から上がってきた人間ではない」ため、メニューがいいとか悪いとかは全然わからないので、試食はしたことがないと言う。「プロに任せなきゃいけない」ことをすごく意識しているからだ。楠木建氏が「ものすごく穏やかで、理知的で、一貫している」という菊地会長。後編では、ありのままの人物像に迫るとともに、経営で大切なことは何かを大いに語り合う。