大塚商会社長の大塚裕司氏は大胆に会社を作り替えてきた。平成5年にグランドデザインを描き、生産性を上げるために、お客の顔が見えるようにデータ基盤を徹底的に整えた。経営学者の楠木建氏は、「顧客マスターを会社全体で共通に使うことが増収増益につながっていて、デジタル活用の手本」と称賛する。かつて、大塚氏はグランドデザインを描くために10人のメンバーを集めた。その選定基準は、「現役のトップではなく、メインじゃない人たち」。それぞれの担当業務が終わった夕方5時から集まり、ブレストをしながら構想を生み出していった。後編は、どうすれば会社を大胆に作り替え、成長軌道に導くことができるのかを探求する。