ピンチを察したときに、どう動くべきか?ロイヤルホールディングス会長の菊地唯夫氏は、今回の「コロナ」危機に直面したとき、「とにかく早く手を打とう」とすばやく動き始めた。1400億円の売り上げが、たった1年で800数十億円まで落ち込み、2年続いたらリスクが顕在化することは見えていた。そして2021年2月に総合商社の双日と資本業務提携を結ぶ。コロナの間の3年間で、菊地会長は従業員向けに会社の状況説明会をオンラインで84回も開催。訴えたのは「不安感ではなく、危機感を持ってくれ」。不安感は人を動かなくするからだと語る。菊地氏が最初に直面した大きな危機は、1988年に入行した日本債券信用銀行の時代。90年代後半に実質破綻となり、頭取の秘書として事後処理に奔走。その経験が、その後のビジネス人生を大きく左右することになった。前編では、「人生の3大危機」を菊地会長がどのように乗り越えてきたのかを詳細に語る。(後編は2024年5月13日公開です)